校長挨拶

真理を追い求めて

第18代高等学校校長 德永 望

「真理はあなた方を自由にする」(ヨハネによる福音書 8 章 32 節)

 明治学院高校は、創立以来多くの困難を経験してきました。最も大切にしているキリスト教主義や礼拝が危機にさらされた時、男子校から共学校への移行、度重なる校舎の増改築などは、生徒と教職員が一緒になって乗り越えて来たように思います。そして、2020 年の旧校舎から仮設校舎への引っ越しは、新型コロナウイルス流行による全国一斉休校と重なり、多くの困難がありました。その後から 2 年以上も続いている仮設校舎での学習は、感染症の危険を間近に感じる毎日で、明治学院高校が直面している新たなる困難だと感じます。

けれども、制限の多い学校生活の中で萎縮することなく、限られた空間の中でも自由闊達に高校生活を楽しんでいる明治学院高校の生徒たちを見ると、何者にも邪魔されない自由な精神を持つことの強さを実感します。


 明治学院高校の生徒たちが持つ自由は、外面的な自由であるように見られます。たしかに、本校は細かい校則で生徒を縛ることは避けており、自分自身の行動に責任を持って選択する「責任ある自由」を標榜しています。

 けれども、私達が本当に大切にしているのは外面的なものではなく「目に見えないもの」「形には表れない」自由なのです。この「自由」は根無し草のようにフワフワとしたものではなく、知恵と学問の力に根差した自由、そして真理を追究することによって得られる自由なのです。


 何が大切なのか、何が正しいのか、ということを真剣に追い求める時、私達は世間一般の価値観や常識に囚われることなく行動することができます。聖書に登場する善きサマリア人は、世間の常識に反した行動によって傷ついた旅人を助けました。イエス・キリストも当時の常識や規範に囚われることなく行動しましたが、それは常に苦しんでいる人々への愛情に基づいたものでした。

世間の価値観や常識は時代や社会的背景によって変化しますが、人間にとって本当に大切なものは変わりません。その、普遍的な隣人愛と真理を追究することによって、私達は本当の意味で自由になるのです。


 明治学院高校の生徒たちには、これからも「本当の自由」を目指していってほしいと思います。2022 年度の 2学期からは新しい校舎での生活が始まりますが、学習の環境が変わっても本校が大切にするものは変わりません。先輩方から受け継がれた大切な価値観を、これからも受けついて行ってほしいと思います。

「真理はあなた方を自由にする」

この言葉を今後も大切にしていってほしいと思います。