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仮設校舎での学校生活 ~図書館編~

今年度から始まった仮設校舎での学校生活を不定期で報告していきます。各施設の担当者との座談会を通して、生徒の様子や旧校舎との違いなどをお伝えしていきます。第1回目は図書館について司書教諭にお話を伺いました。

1.旧校舎と仮設校舎で図書館はどのような変化がありましたか。

図書館としてのスペースは、全体の3分の1にまで規模縮小となってしまいました。図書の蔵書も4万5千冊から2万7千冊まで削減しました(引越の時に約8千冊廃棄し、約1万冊倉庫にいれました)。座席数も、102席から48席にまで激減です(現在コロナ対策のためさらに減らして30席)。

なので「旧図書室」に比べてかなりコンパクトになった「新図書館」ですが、コンパクトな分だけ、「かゆいところに手が届く」機能的な図書館になったと、生徒たちの姿を見ていても思います。

まず、どの教室からもアクセスしやすくなりました。小規模な仮設校舎だからかもしれません。以前は、図書室のあるフロアの学年が占有していたところもありますが、仮設図書館になってからはどの学年もまんべんなく来るという感じ。


距離が近くなったことで、「行くのがめんどくさい」という心理に阻まれず、精神的な距離も近くなったと感じています。

一年生のフロアになったことも大きかったと思います。入学当初から図書館を身近に感じられれば、上級生となって多少物理的な距離ができても通いやすくなり、三年間通して気軽に利用できるようになります。


空調関係も格段によくなりました。旧図書室の冷暖房は校内でも最新のものでしたが、西日・最上階という最悪な環境でした。それがなくなり、空調をかなり省エネモードでつけていても十分効いています。窓も多く、採光もよい状況になり、明るい環境となりました。


旧図書室との最大の違いは、旧進路指導室と一部統合し、赤本の貸出が図書館で行うことになったことでしょう。そのため、図書館の開いている時間帯は赤本をいつでも借りられ、またその場で自由に勉強できるようになったことは、三年生で外部受験する生徒にはとてもよい環境となりました。


他の教室との関係も激変しました。廊下挟んで向かい側に情報科室ができたことはとても大きかったです。図書館はそもそも情報を蓄積し、また必要に応じて探索する場所でもあります。その図書館と、情報をどのように扱い発信していくのかを学ぶ情報科とでさまざまな点で連携しながら生徒たちの学びを支えていくのは、情報化社会に生きる我々にとってますます重要視される点です。

幅広い情報の探し方や、取捨選択の仕方、発信の方法、そして情報と法やモラルのことなど、生徒たちの学びの一端を連携して担いやすい環境となったと思います。

2.図書館での生徒の様子で、想定外の点や旧校舎との違いがあれば教えてください。

一番の違いは物理的に狭くなった分だけ生徒との距離が近くなったことです。これは図書館スタッフにとってうれしい誤算でした。

通常、図書を選定する際、当然のことながら生徒たちの好みなども反映できるよう念頭においてます。しかしこれまでは貸出の動向からしか生徒たちの動きが把握できませんでした。旧図書室は開架書庫だったので、生徒たちが書架を見に行っていても具体的にどこを見ているのかは推測しにくかったのです。


ところが、新図書館となってからはカウンターから書架が近いため、どこの場所にたっていたかわかる。だから貸出の記録はなくても、「建築に興味のある子がいるみたいだから、少し増やそう」というふうに参考になるデータが集まるわけです。そうやって生徒が求める図書を増やしていける。こういう形での生徒と距離が近くなると実感することもあるんだなというのは、新しい発見でした。


新図書館が狭くなったことに対して、生徒たちはあまり気にしてないようです。それよりも前述もしましたが、読みたい本をすぐ見つけられるようになって喜んでいる姿の方が多く見かけるようになりました。ただ、クラスでは居ずらく、あまり干渉のない図書館で過ごしてきた生徒たちにはちょっと抵抗のある場所になってしまったかもしれません。


自習スペースが激減したせいもあって、席は熾烈な争奪戦となってます。旧図書室のときはそれなりに座席数も確保されていたので、けっこうスペースをとってゆとりのある使い方を勝手にしていたのですが、いまはそうもできず。

この点は、早く新校舎で広い図書館になることしか問題解決の糸口はないため、申し訳ないなという思いです。


今年度から、情報科室と隣接したことを契機に、図書館ガイダンスを情報科と連携して行いました。本校図書館では、WEB OPAC(オンライン蔵書検索システム)を数年前から導入し、図書館通信などでも利用を呼びかけていたのですが、なかなか日常的な利用まで結びつかずにいました。

そのWEB OPACの利用方法を、一年生対象に情報科室から実際に利用方法のレクチャーを今年度初めて行えました。一度使ってその存在を認知できると、今後三年間必要に応じて活用できる下地を整えられます。これは今後の図書館にとって大きな転換にもなりました。


また、新型コロナウイルスの休校期間中は、郵送貸出も行ったのですが、その際上級生たちにも、WEB OPACの認知度を高めることができました。またこの機会に、予約機能もつけ、蔵書検索後ボタン一つで図書の取り置きを依頼できるようにしました。それによって、今まで「本を読みたいけれど、わざわざ図書館にいって本を選ぶのが面倒」と感じていた層の生徒たちが、ボタン一つで読みたいと思った本を借りられる手軽さが良かったようで、これまでのいわゆる「常連」生徒とは違った生徒層の獲得にもつながっています。

ちなみに郵送貸出も、それまでの常連とは違った生徒への貸出がほとんどでした。新たな手段や機能の拡張は、それまでの利用者以外の人を「常連」にする良い契機になることを実感した出来事でした。

3.学校図書館と学校生活の関係(役割) はどのようなものですか。

図書館と一口に言っても、公共図書館、大学図書館、学校図書館とさまざまで、そこに期待される役割はさまざまです。なかでも学校図書館は、在学する生徒や教職員にたいして幅広い役割を担っています。

まずは学習支援。その学習のために、情報へのアクセスを確保する場です。図書を含めた各種情報を収集し活用させる探究学習への支援や、知識学力定着させるための勉強の場。また教科外の知識を吸収する場でもあります。


それから読書支援。さまざまな本との出会いによって疑似体験の積み重ねやさまざまな価値観を知ることにより、人間的に大きく成長する栄養素を送り込みます。

そして学校生活支援。クラスや部活以外での居場所作りとしても図書館は大切な役割をになっています。


また、コロナ休校によって顕在化したのは、学校という建物に来なくても、生徒たちの学びを止めないためにどうすればよいのか、という点でした。特に休校中は外出自粛期間とも重なり、公共図書館や書店名もいけず、膨大な情報しかもただあふれかえっているインターネットにアクセスはできても、気軽かつ適切、もしくは正しい情報や本にアクセスする機会が奪われました。


在宅中の生徒たちにどう情報へのアクセスを保証し、導くのかは、これからの時代の学校図書館が担うべき新しい役目ともいえます。実際、休校期間中は「学習支援サイト」をHPで紹介したり、WEB OPACを通しての郵送貸出やメールでレファレンスの受付など、図書館に来なくても「情報へのアクセスの確保」という図書館として最も大切な役割を果たすことができました。

4.次年度以降の入学を考えている受験生へメッセージ

広さだけでいったらかなり狭い図書館で、限られたスペース、限られた蔵書で他校と比べたら見劣りすることでしょう。

ただし、この仮設図書館はそこが強みでもあります。コンパクトながらも非常に機能的で、だからこそほしい情報(読みたい本)が見つけやすいという利点があるのです。


さらに、図書館そのものの物理的なスペースだけでなく、あらゆるシステムや機能を活用して、図書館のもつシステム的な働きに関しては、他校に引けを取らないという自負があります。

インターネット上で蔵書検索ができるWebOPACを、他の学校図書館に比べても早く導入しました。図書館の資料にアクセスするのに、必ずしも長時間の滞在が必須ではなくなりました。図書館の中からでも、図書館の外からでも、図書館を利用できる環境です。

それから、引越しに合わせて、徹底的に蔵書構成を見直し整理しました。情報の古い図書は積極的に除籍し、現在でも有益な情報として使える図書は残す。新校舎完成までの向こう3年間生徒に手にとって欲しい本は新図書館に移し、価値はあるけれども生徒が手に取らなそうなものは倉庫に。

つまり仮設図書館には現在必要な、より厳選された図書が揃っているわけです。物理的な限界を中身で充足させてコンパクトでも機能的な図書館を、フル活用してほしいと願ってます。


また、新校舎では図書館、進路指導、情報科室、国際交友センターを融合させた「ラーニングセンター」となる予定です。小規模図書館と大規模図書館、どちらも知ることができますね。それもまた、他校では体験できない貴重な機会ともいえるでしょう。

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